今回はNSR50のシリンダーの前期と後期の違いを説明します。
NSR50の前期と後期の見分け方と前期シリンダーの使い道も紹介します。
前期シリンダーは使えないと思っている方はぜひ最後までご覧ください。
NSR50シリンダーの前期と後期の違い
NSR50の前期シリンダーと後期シリンダーの違いは、シリンダーの排気ポートの高さが違います。
後期型のシリンダーは前期型と比較して排気ポートが1ミリ高いです。
排気ポートが1ミリ高いことによってどんなメリットがあるのか?
それは、ポートタイミングが上がりエンジンが少し高回転型になります。
改造範囲が制限されているノーマルクラスやチャンバーのみ取り付け許されたSPクラスでは少しでもパワーを上げるために後期シリンダーが使われます。レースで前期シリンダーを使っている人はいないと思います。。。
限られたパーツでパワーを出すには少しでも回転数を上げた方が有利だからです。
なぜ、排気ポートが高いと高回転型になるのか?
それは、排気タイミングが変わるからです。
排気ポートが高いということは、爆発された燃焼ガスが通常よりも早くチャンバーへ流れます。
2ストロークはチャンバー効果によって排気ガスと一緒に流れた未燃焼ガスが再び排気に戻ります。
排気ポートが高いと通常よりも早く未燃焼ガスがシリンダーに再充填されるためパワーバウンドが高回転側にシフトします。
だから排気ポートが上がると高回転になります。
例えば、自分が街乗り車両でよくやるベース2枚重ねもエンジンを少し高回転にするお手軽チューンでよくやります。
ベースガスケット1枚でも体感できるくらいなので、シリンダー1mmの差は大きいです。
中期型のシリンダーの違いでリードバルブの入り口の大きさが広いタイプもあります。
これは正直、使ったことがないので分かりません。
情報があれば教えてください。
NSR50シリンダー、前期、後期の見分け方
前期と後期のシリンダーの違いはポートの高さでした。
じゃあどうやって見分けるのか?
ノギスや差し金で排気ポートの高さを測るよりも簡単に見分ける方法があります。
でも、ポートを測るしか方法なかったら、ヤフオクやメルカリで出品されているシリンダーは前期か後期か分からないですからね。それに基準がないと分かりにくい・・・
NSR50の前期と後期を簡単に見分ける方法はシリンダーのスリーブにあります。
後期型はシリンダーのスリーブに線が1本入っています。
前期型のスリーブには線が入っていません。
これが簡単に後期と前期を見分ける方法です。
ヤフオクで後期シリンダーをが欲しい方はスリーブに注目して線が入っているシリンダーを購入しましょう。
NSR50シリンダーの刻印ABCサイズについて
NSR miniオーナーズマニュアルより引用
ちなみにNSR50のシリンダーには内径サイズによって識別マークがあります。
見分け方はシリンダーを上から見て、排気ポートに刻印があります。
工業製品は狙い寸法ぴったりには作れません。
高性能な機械で加工してもバラツキはあります。ばらつきによってサイズ分けしていますが、シリンダーにはABCの3種類あります。
Aシリンダー シリンダー径大
Bシリンダー 39mmぴったり
Cシリンダー シリンダー径小
サイズが大きいのがAでシリンダーにもAの刻印があります。
39ミリぴったりがBで、シリンダーには刻印があります。ぴったりと言ってもおそらく0.01ミリくらいは誤差があると思います。
そして、一番小さいサイズがCで、シリンダーにもCの刻印があります。
基本的には、同じアルファベットの刻印で組みます。
例えば、AシリンダーにはAピストンを入れます。
2022年現在では、シリンダーはAサイズのみピストンはAサイズとBサイズしか新品が手に入らないです。
余談ですが、純正パーツでもサイズ別にきっちりとサイズ分けしています。
これはオーバーヒートや多少キャブセットがズレても焼き付きなどのトラブルを防ぐのが目的だと思います。
国産の高性能な研磨機で加工しても、3サイズに分けないと品質が保証できないのですから、中華ボアアップキットなど社外品のシリンダー、ピストンキットが純正以上の精度で発売しているとは少し考えにくいです。
純正よりも少しクリアランスが多いならパワーダウンするだけですが、中華ボアアップキットみたいに明らかにピストンとシリンダーのクリアランスが合っていない場合も結構多いです。
NSR50 前期シリンダーの使用用途(Nちび)
最後にNSR50のレーサーで前期シリンダーはゴミなのか?というと加工ベースで使えます。
ノーマルクラスでは練習用シリンダー用としてシリンダーの排気ポートを1mm高くすると後期シリンダーになります。
後期のシリンダーはレース本番用のシリンダーとして置いておいて、普段の練習は前期の加工シリンダーを練習で使うとシリンダーの消耗を抑えることができます。
貴重な後期シリンダーを温存するためにも有効だと思います。
当たり前ですが、ノーマルクラスやSPクラスのレースではレギュレーション違反になるので使えません。
参戦費用を出来るだけ抑えて、みんなイコールコンディションのノーマルクラスですが、本気でやっている人はノーマル部品の中から当たりパーツを探すので、改造クラス以上にお金が掛かることになります。
ノーマルクラスの闇ですね。。。。
街乗りの場合は、ポート加工するよりもベースガスケットを2枚重ねする方が、簡単にポートタイミングを変えることができるので、ポート加工するよりもいいと思います。
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