今回は2ストのエンジンの焼き付きの前兆についてお話したいと思います。
2ストエンジンを乗っていて、チャンバー入れたり、ボアアップしたり改造されている方でエンジンの焼き付きを経験した方は多いと思います。
その時に、焼き付きの前兆が分かれば防げていたのに・・・って思ったことありませんか?
そこで今回は、自分が経験した2ストエンジンの焼き付きの前兆を3つ紹介します。
まず、初めに2ストのエンジン焼き付きの前兆は3選の結論から紹介します。
- 異音がする
- バイクが急に速くなる
- 焼き付きの前兆は分からない
最後の焼き付きの前兆なんて分からないと言ってしまうとこの記事の意味あんのか?と思われますが、自分が体験したことお話しているのでぜひ最後までご覧ください。
2ストエンジン焼き付きの前兆1 異音がすること
エンジン焼き付きの前兆のひとつ目は異音がすることです。
一言で異音と言っても異音にはさまざまな異音が存在し、アイドリング中から高回転中に発生するものがあります。
実際に体験した焼き付き前の異音を紹介します。
それは「ぎーぎー音」です。
なんか文字で書くとうまく表現できませんが、これはボアアップキットを組んだスクーターに乗っていた時によく聞いた音で、ピストンとシリンダーがこすれている音です。
この音が発生すると焼き付く前兆というか、すでに抱きついているのでこの音を聞いた場合は手遅れです。。。
では、この「ぎーぎー音」の原因はなんのか?
それはピストンとシリンダーのクリアランスの問題です。
原因はピストンの径がシリンダーよりも大きく膨らむことで発生します。
え?でも組んだ時は普通だったよって意見がありそうなので・・・
なぜピストンがシリンダーよりも膨らむのかを説明すると、材料の熱膨張の違いによって発生します。
多くの純正の腰上やボアアップキットの材料は、シリンダーは鉄、ピストンはアルミ製になっています。
エンジンが冷えた時は適正なクリアランスを保っていますが、エンジンが温まった時、鉄よりも熱膨張の大きいアルミ製のピストンが膨らむことでクリアランスがなくなり、エンジンが焼き付いちゃいます。
正確には焼き付きではなく抱きつきですね。
これを防止するには、ピストンとシリンダーのクリアランスを適正に保つしかありません。
自分がやっていたのは、加工が簡単なのでピストンの外径を削って適切なクリアランスにしていました。
加工方法は、ヤフオクでよく売っている中華製の旋盤にピストンをチャックして、ペーパー掛けをしていました。
旋盤がない方はハンドドリルでチャック出来るように工夫すれば、円の形状を崩さないで加工できるかもしれませんが、これは自分はやったことないです。
では実際に削る時にどれだけ削ればいいのか?
削る量は抱きつかなくなるところまでです。
スクーター用のクリアランスが怪しい台湾製のボアアップキットは、径を測定して初めからピストンを削っておいた方がいいかもしれません。
ちなみに、NSRのような水冷エンジンではクリアランスの問題で抱きついたことはありません。
余談ですが、2ストでよく言われるデトネーションが発生する前のカリカリ音。
あれをハッキリと聞いたことがありません。
それっぽい音がなっているなぁと思ったら、デトネーションは発生しなかったり、逆にそれっぽい音がなっていると思ったら案の定デトネーションが発生していたり。
デトネの音が分からないのでまだまだ経験が足りませんね。。。
もう一つ余談ですが、ヘッド面研をやりすぎるとキンキンと乾いた金属音がすることがあります。
これはピストンとプラグがぶつかっているので、ヘッド面研を行った後にキンキンと音がなっていたら、シリンダーヘッドを開けてピストンとプラグがぶつかっていないか確認してください。
アイドリング中は大丈夫でも、高回転になるとぶつかる可能性があります。
理由は高回転になると熱の影響などでクランクが伸びるからです。
2ストエンジン焼き付きの前兆2 バイクが速くなった
次に2ストの焼き付きの前兆の2つ目は、何もしていないのに突然バイクが速くなることです。
ウソのような本当の話ですが、壊れる前のエンジンがすごい調子よくなることがまれにあります。何も触っていないのに急にエンジンが速くなった場合は注意した方がいいかもしれません(笑)
なぜ速くなるのか?
それは壊れた原因によると思います。
例えば、エンジンの焼き付きでは、燃料内のエンジンオイル量が少ない時、燃焼に使えるガソリンが多くなりパワーは出ます。
しかし、オイルが少ないため潤滑不足になりエンジン焼き付きを起こしてしまいます。
そして具体例をもう一つ
腰下が故障した場合は、クランクやケースのベアリングの抵抗が少なくなり、いつよりもエンジンが軽くそしてよく回ります。
しかし、そのうちベアリングが崩壊しエンジンが止まってしまいます。
今回、紹介した内容は一つの例ですが、何もしていないのに急にエンジンが速くなったら注意が必要です。
故障する前はかなり調子よくて、いきなり調子悪くなります。
2ストエンジン焼き付きの前兆3 前兆なし、分からない
最後の焼き付きの前兆3つめは前兆がないことです。
これを言ってしまうとじゃあ、エンジン焼き付きの前兆の動画なんて作るなよ。とツッコミが入りそうですが、これまで数多くのエンジン焼き付きや抱きつきを経験してきましたが、前兆がないこと、または分からないことがほとんどです。
まぁ、違いが分からないやつとか見極めのセンスがないとか言われるとそれまでですが、少なくとも自分の場合、たくさんエンジンの焼き付きや抱きつきを経験してきた中で壊れると確実にわかったのはほんの数回程度です。
じゃあ焼き付きは防ぎことができないと思われますが、前兆が分からなくてもエンジンの焼き付きは未然に防ぐことはできます。
それは日ごろから走行中のエンジンの調子は常に確認することです。
例えば、水冷エンジンであれば水温は定期的に安定しているか確認することや、空冷エンジンではあれば、エンジンオイルの量や、オイルポンプの動作を確認することも重要です。
俺のバイクはエンジンオイルチェックランプがついているから大丈夫!という方も、チェックランプが壊れている可能性もあります。
エンジンオイルが少なくなった時に正常に動作しているか確認しましょう。
日ごろから、エンジンの状態に注意を払うことで、いつもと違うことに気が付き、焼き付きを未然に防ぐことが出来ます。
以上、2ストエンジンの焼き付きの前兆について解説しました。
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