ミニバイクレースとは、排気量が125cc以下の原付のレースのことです。
ミニバイクレースを全く知らない方が、原付のレース?と聞くとショボいとかダサいとか思うかもしれません。
しかし、ミニバイクレースは、やってみるとバカにできないくらい面白くて奥が深いレースです。また、排気量や車種によってクラスが分かれています。
そして、ミニバイクレースが開催されているサーキットも1周30秒程度のミニコースからF1が開催されているようなロードコースまであります。
今回は簡単にクラスと走行できるコースを紹介します。
ノーマルクラス(Mクラス)
まずは原付ミッションのノーマルクラスから紹介します。
2スト50ccまたは、4スト100ccまでのノーマル車両のクラス。
ノーマルクラスと言っても、点火装置(CDI、プラグ)、タイヤとリアサスペンション、ブレーキパッドは変更可能です。
代表的な車種は、ホンダ NSR50 ヤマハ TZM50R カワサキ Z125など
無改造のクラスなので手軽に始めることができる一方で、本格的にレースをすると限られたパワーをいかに絞り出すことが重要になります。
そうなると製品誤差の少ない純正パーツから、エンジンが速くなる当たりパーツを探すことになります。
手軽だけど、一番難しいクラスだと思います。
ホンダNSF100のワンメイククラスはサスペンションの変更は不可なので注意が必要です。
準改造クラス(SPクラス)
排気量はノーマルクラスと同じ2スト50cc、4スト100ccで、ノーマルクラスに加えて吸気と排気系の交換可能。
代表車種は2ストはNSR50。
4ストはNSF100がほとんどです。
2ストの場合は、ノーマルチャンバーから社外チャンバーに交換可能。
4ストはキャブレターの変更可(パイ数の制限あり)、ハイカム、マフラー、オイルクーラーなど2ストと比べると改造範囲が広がります。
2ストのSPクラスは、チャンバーを装着するだけでノーマルよりもパワーが上がり気軽に改造クラスを体験することができます。
Mクラスはパワーがないので、タイヤを限界まで使って走りますが、SPはバイクのパワーも使って走ることができるので楽しいです。あと、音がカッコいいw。
改造クラス(オープンクラス)
2ストは65ccまで4ストは125ccまでの排気量制限だけでそれ以外は改造が自由です。
改造次第で最高速が4ストは150km以上、2ストは140km以上到達できます。
限られた排気量でハイパワーエンジンを作るおもしろさと、ハイパワーエンジンを操縦する楽しさが味わえるクラス。
やり出すと、やめられない泥沼にはまってしまう恐ろしいクラスでもあります。
スクーターノーマルクラス(FN、FN4、SNクラス)
スクーターのノーマルクラスは、改造はリヤサスペンションと駆動系のみです。駆動系も純正の流用パーツのみで改造は厳しく制限されています。
FNクラスは2ストは50ccまでのスクーター。代表車種はジョグ、ディオなど。
50ccのノーマルスクーターとなめていたら速くてビビります。
しかも、ノーマルマフラーでかなり静かなのにブレーキでキュルキュル音が出てこれもかっこいいです(ジョグ)
FN4は4スト125までのスクーターで、代表車種はアドレスV125など。
SNクラスは4スト50ccのスクーターで参加車種は、ジョグ、ビーノ
最近人気が出ている50ccの4ストノーマルスクータークラス。
絶対スピードは出ないけど、常に接戦なので面白そう。
スクーター準改造クラス(FP4、FPクラス)
FPクラスは2スト50ccにチャンバーを装着したクラス。代表車種はジョグです。
FP4クラスは4スト125ccのスクーターに、マフラーを装着したクラス。
代表車種はシグナスX。
FP4クラスはびっくりするくらい速いし、音がいかついです。
また、年式が新しいため燃料供給装置はインジェクターになっていて、細かいセッティングが可能になっています。
ミニバイクが走行できるコース、ミニバイクレースが開催されるサーキット
ミニバイクが走行できるサーキットは、カートが走行する全長1km以下で、コース幅員が8mのカートコースのサーキットがメインです。
さらに鈴鹿サーキットのように、F1が走ることができるような全長3km以上、幅員16mの国際サーキットも走行することができます。
ロードコース(国際コース)は走行日が決まっていていつでも走ることができるわけではないですが、カートコースでは、いつでも予約なしで走行できることが多いです。
よくロードコースは敷居が高くて、走行するためには、バイクをしっかりと整備して、練習しないと走ることができないと言ったことをよく聞きます。
しかし、ロードコースだからといって敷居が高くなることはありません。バイクをしっかりと整備するのはカートコースでも同じです。
また、走行の時にフラッグやルールを守るのもカートコースと同じです。
サーキットを走行するために、ルールを守ることはロードコースもカートコースも同じです。
バイクを使ってレースするのはミニバイクでも、ケガのリスクが高くなります。
ルールを守ることでリスクを減らすことができるため、ルールはかならず守る必要があります。
ミニバイクレースのおすすめの車種。狙いは中古車両
ミニバイクのおすすめ車種はNSR50です。
理由は、整備が簡単で、アフターパーツも多くノーマルクラス、改造クラスどちらも簡単に仕様変更できるからです。
発売からすでに35年以上経過して、入手も難しくなっていますが、部品はアフターマーケットを利用すればまだ手に入ります。
ミニバイクを初めてやるなら、NSR50を選べば間違いないと思います。
2ストミッションの他の選択肢としてヤマハのTZMなどありますが、サスペンションやパーツの部品が少なく選択肢がないため、逆に難易度が高いです。
車体価格が高くても、NSR50を買った方が、車体を買い直すことなく長く続けることができると思います。
おすすめの年式は95年式以降の後期型または、ミニです。
エンジンが改良されて前期型よりも速くなって、車体の剛性も上がっています。
NSR50の後期型を買えば、整備するだけでかんたんにレースに出ることができます。
個人的な感想ですが、スクーターレースは整備が好きな方向けのレースだと思います。
理由は、キャブレターのセッティング以外に駆動系のセッティングも必要だからです。
この駆動系のセッティングはベルトの摩耗量や使用するプーリーによって変わってくるため、バイクの運転技術以外にも整備知識やスキルが要ります。
バイクの運転技術だけでなく、整備スキルもいるのが、スクーターレースの一番面白いところだと思います。
ミニバイクレースの始め方
始め方は簡単です。
バイクを用意し、レギュレーションに沿ってバイクの仕様を調整します。
次にサーキットを走行するための安全装備を準備します。
ここは、ミニバイクでも、大きいバイクでも一緒です。
レースを始める前にまずは、サーキットを走ってみることをおすすめします。
まずは、人間の安全装備と、バイクの最低限の整備(ドレンボルトのワイヤーロックと保安部品のテーピング)をします。
サーキットを走るための安全装備
ヘルメットやツナギなどの安全装備はケガを防止するためにも車検にパスするMFJ公認やスネル規格のものを選びます。
ヘルメット
ヘルメットは、製造5年以内でできればスネル規格のものを用意します。
個人的にショウエイよりも自分の顔にフィットするAraiが好きでずっとかぶっています。
レーシングツナギ
レーシングツナギは、MFJ公認を準備します。
始めたばかりの頃は転倒が多いため、アレンネスなどの安いツナギでOKです。
アレンネス製でもMFJ公認マークはあります。
レーシングブーツ
個人的に、XPDの一番安いグレードのブーツが柔らかくて動きやすいので好きです。
ブーツはとくにシンプルなものが動きやすいです。
カーボンプロテクターなど、フル装備のものは動きにくくブレーキが踏みにくかったりします。
グローブ
グローブは消耗品です。
有名メーカーのグレードが一番低いものがおすすめです。
頻繁にサーキットへ通い出すと1年くらいで、穴が開いて使えなくなると思います。
なので、動きやすくて安いもので十分です。
初めて走るサーキットはカートコースがおすすめです。
理由はいっぱい走ることが出来るからです。
カートコースは、好きなタイミングで自由に走れるフリー走行がメインであり、日によってはバイクとカートの走行が30分毎に交代もありますが、基本的に自分のペースでたくさん走ることができます。
一方、ロードコースは走行日が少なく、走れても1日に30分を2,3回しか走行することができません。
ロードコースのレースでエントリーを予定している方でも、普段の練習はカートコースでして、レース前にロードコースで練習するのが効率がいいと思います。
サーキットを走ってみて慣れてきたら、出るレースを決めてバイクの仕様をそれに合わせて調整し、レースに出るのがいいと思います。
まずはNSR50を買ってサーキットを走ってみましょう。
ミニバイクでも、バイクの操作は大きいバイクと一緒なので十分に面白いです。
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