初心者がミニバイクレースで入賞を目指したいならロードコースのオープン2ストクラスをおすすめします。
理由は2つあります。
- ロードコースはカートコースとは違いストレートが長くバイクの性能でタイムが縮まるから
- オープン2ストクラスは、エンジントラブルが発生する車両が多く、トラブルが出ないバイクを作れば初心者でも完走することで入賞を狙るから
詳しい説明をしてしまうとかなり長くなってしまうので割愛します。
詳しい説明はYouTubeで解説しています。
今回はオープン2ストクラスを始めたい方や、街乗りNSR50を改造して速くしたい方に向けて、耐久性が高く、ぶっちぎりで優勝は出来ないけど、そこそこ速い(SP車両よりも速い)おすすめのパーツを紹介します。
いいものをひたすら紹介だとコスト高になってしまうので今回は、性能が確実にパワーアップするパーツに絞って紹介します。
レース用の2ストエンジン選びはホンダ?カワサキ?ヤマハ?
まずはメーカーですが、HONDA製の水冷エンジンです。
新品、中古を含めてパーツが多く、セッティングデータがインターネットで検索できるからです。
例えば、ポート加工のデータや、キャブセッティングのデータもGoogleに質問すれば簡単に答えを教えてくれます。
オープン2ストクラスのレギュレーションは2ストエンジンは65cc以下なのですが、モトクロッサーエンジンも使用できます。
市販車よりもモトクロッサーのエンジンを流用した方が速いのでは?と意見があると思います。
たしかにモトクロッサーのエンジンをロードコースの仕様にフルチューンできれば速いと思います。しかし、アフターパーツはほとんど出回っていないのでチャンバーなど手作りして、いろいろな仕様をテストしないと速くならないのです。
なので、モトクロッサーエンジンよりもホンダの水冷2ストエンジンがおすすめです。
ちなみに、12インチタイヤのNSR50と17インチタイヤのNS-1ではミッションのギヤレシオが違うので要注意です。同じスプロケットなのに最高速が違うということもありえます。
NSR50、NS-1の改造 ボアアップキットについて(国産か台湾製か)
まずはボアアップキットについて
ボアアップキットはエンジンの中でも一番重要です。
おすすめのボアアップキットはKITACO製のボアアップキットです。
何も考えずにそのまま取説通りに組んでください(笑)
分かります。改造クラスなのでポート加工したい気持ちは分かります。
ポート加工や2ストエンジンについて知識やノウハウがある方はポート加工してください。
でも、知識のない方はそのまま組んでください。
2ストはポートを削ると排気のタイミングも変わって、エンジンの仕様がガラリと変わります。初心者が何も考えずに削ると削りすぎてパワーダウンしてしまいます。
削りすぎると元に戻せないので、知識がない場合、そのまま組みましょう(笑)
ちなみに台湾製のボアアップキットもありますが、これは上級者向きです。
理由はポート加工しないと全く使い物にならないからです。
ポートの位置が低すぎてそのまま使うとトルクだけのエンジンになって速くなりません。
ポート加工の知識がある方は、台湾製のボアアップキットを使うことで安くエンジンを作ることができますが、知識がない人は期待したパワーが出ず、ノーマルとパワーはあまり変わらないってことも(笑)
NSR50、NS-1の改造 チャンバーについて(答えは分からない)
おすすめのチャンバーは分かりません。
今レースで使っているチャンバーはN-Planですが、型式が不明です。
同じものが手に入るか分からないし、新品では手に入らないので、すでに社外チャンバーをお持ちの方は、そのチャンバーでテストしてみてください。
社外チャンバーをお持ちでない方は、ぜひヤフオクで買ってください。
N-Planやリブラプロなどある程度有名なチャンバーで出来るだけ新しいモデルを買いましょう。もちろん、ボアアップ専用のチャンバーがあればなおよし。
理由は有名メーカーのチャンバーはレースでの実績が高く性能が高いから。 そして出来るだけ新しいモデルを選ぶ理由は、新しいモデルは古いモデルと比較してチャンバーの完成度が高いからですね。新しいモデルになるまでに数多くのテストを費やして開発されているからです。
もし、購入したチャンバーの性能がよくなかった場合、ヤフオクで再出品しましょう。
おそらく買った値段とあまり変わらない値段で売れるはずです。 そして違うチャンバーをヤフオクで購入しましょう(笑)
NSR50、NS-1の改造 キャブレター吸気系(基本ノーマル)
続いて吸気系です。
キャブレターもリードバルブも基本的にノーマルでオッケーです。
ノーマルを推奨する理由はとにかく、セッティングが簡単。そして扱いやすいから。
ビッグキャブに変更するとどうしても細かいセッティングが必要です。ノーマルキャブレターのような大雑把なセッティングでは、エンジンが走らないこともしばしばあります。
街乗りでNSRやNS-1乗られている方は、よくビッグキャブに変更されるのを見ます。たしかにビッグキャブを入れるとパワーは上がります。
しかし、セッティングが複雑になって、結局キャブセッティングが決まらずビッグキャブの性能を引き出せないことが多いのではないでしょうか。
セッティングが決まらないとノーマルの方が速いです。 もし、どうしてもビッグキャブを入れたいからおすすめ教えろという方はPWK28です。
NSRの改造クラスでは定番のキャブレターでセッティングデータもネットで検索すればでてきます。
マニホールドはCR80を組み合わせます。
ちなみにノーマルのマニホールドは付きません(笑)
NSR50、NS-1の改造 CDI、プラグ
当たり前ですが、NSR50ノーマルのCDIは使えません。
リミッターが掛かっているので、60キロ以上でないからです。
CDIを新品で買うなら銀POSHが一番使いやすいです。
NSR80(NSR Mini)のCDIも使いやすいですが、現在は廃盤になり新品で手に入りません。
ちなみに。。。
銀POSH→点火時期が進角ぎみ。トルク重視
NSR80(NSR Mini)→金と銀の中間
金POSH→点火時期が遅角ぎみ。高回転重視
金POSHは少し使ってトルクが薄かったので、2度と使っていません。
エンジンの伸びがよくても、ふけ上がるまでの時間が長いとエンジンは速くないので・・・
もし後期のエンジンを使っていて電装系が後期なら前期型に交換しましょう。
後期はCDIがデジタル式になるので上のアナログCDIは使えません。
レースでも一般的にはアナログCDIが主流です。
交換はローターとコイルを用意してボルトオンで交換できます。 後期から前期にコイルを交換した場合、ハーネスも交換が必要です。街乗りの方は要注意です。
プラグは何を使っていいのか分からなくて迷ったらB9EGのプラグがいいかなと思います。
レーシングプラグなので、街乗りの方はノーマルプラグでもいいと思います。
レーシングプラグは寿命が短いので注意が必要です。 寿命を迎えると高回転のオーバーレブが悪くなります。
NSR50、NS-1の改造 クラッチ、キック
腰下はパワーアップしないけど重要です。
NSR NS-1クラッチについて
クラッチですが、前期型のエンジンの場合クラッチは3枚なので4枚に変更します。
これも部品を用意するだけでボルトオンでクラッチを4枚仕様に変更できます。
具体的には・・・
クラッチセンタ
フリクションプレート
クラッチプレート
各1個ずつ用意するだけで4枚クラッチに出来上がりです。 それぞれ部品をそろえるのがめんどくさい方はキットがおすすめです。
ついでにクラッチスプリングもノーマルの場合交換しましょう。
CR80のクラッチスプリングがおすすめです。 ボアアップ車両ならスプリング4枚とも交換しましょう。
ミニバイクのレース(ルマン式スタート)のキックについて
ロードコースでのレース車両を製作するならキックは必需品です。
理由はスタートがルマン式スタートなら、エンジンの始動はキック式でないとスタートのグリッドについてスタートできません。
キックのついていない押し掛け仕様のバイクは、残念ながらグリッドにつけないのでピットスタートからになります。
さらにピットスタートなので、グリーンフラッグで同時スタートは出来ません。
グリッドについたバイクは全員スタートし、グリーンフラッグが振られてスタートOKとなります。
なので、スタートでかなり出遅れることになります。
ロードコースのレース(耐久レースのルマン式スタート)に出場される方はキックをつけましょう。
NSR50、NS-1の改造 クランクサイドベアリング(腰下OH)
レースに出場予定で中古エンジンを手に入れてそのエンジンがいつオーバーホールされたのか分からない場合、腰下のオーバーホール(クランクのサイドベアリングとオイルシール交換)はやった方がいいです。
理由はボアアップや改造することでエンジンパワーが上がり、エンジン回転数も上がります。クランクやベアリングがノーマルと比較にならないくらい負担が掛かるので出来ればオーバーホールして新品にした方が故障するリスクが下がります。
よく勘違いされている方が多いと思いますが、エンジンの腰下をオーバーホールしてもエンジンは速くなりません。
正確にいうとノーマルクラスでは、エンジンの差に繋がります。理由はノーマルクラスではノーマルパーツしか使えないのでエンジンパワーの差が出にくいです。
なので、腰下をオーバーホールすることでエンジンの内部抵抗が下がり結果的に速くなります。
逆に改造クラスの場合はもともとエンジンのパワーが出ているので、オーバーホールによって内部抵抗が下がってもエンジンパワーの差は出ません。
つまりエンジンは速くなりません。
どちらかというと腰下のオーバーホールはエンジンの基礎を作るイメージです。 不意のトラブルを避けるためにもエンジンオーバーホールは定期的に実施しましょう。
NSR50・NSR80・NS-1のおすすめのオイル、ガソリン
ガソリンはボアアップ車両の場合「ハイオク」を選びましょう。
レースを出場する場合はサーキットのガソリンを購入しましょう。
成分が安定しています。
レースを出場する場合、エンジンオイルは混合専用で安いオイルでなければなんでもいいです。
エンジンオイルによっていろいろと違いがあるようですが、今までテストしたことがないので分かりません。
それでもどんなオイルを使っていいのか分からない方はモチュール800が実際に使っていたし、不具合もないのでおすすめです。
ちなみに混合比は改造クラスなら30対1からスタートしてみてください。 ノーマルクラスは50対1で使っていました。
街乗り仕様でボアアップキットを組んで、オイルポンプの分離給油で使用される方は、オイルと混合比に注意してください。
混合専用のオイルは分離給油に使えません。(オイルの粘度が高いため)
あと、混合比にも注意です。50のオイルポンプではオイルの供給量が不足する可能性もあります。
NS-1 NSR50フル改造クラスのパーツを紹介まとめ
今回、紹介したエンジンの仕様は耐久性があり、そこそこ速い仕様です。
決して速いわけではないですが、耐久性があるので街乗りでも使っていただけると思います。
もちろん、レースで上位を目指される方は、今回紹介したエンジンをベースにポート加工や燃焼室加工を実践してさらにエンジンの速い仕様を目指してください。
個人的にはエンジンのポート加工やチューニングが2ストエンジンの醍醐味だと思うのでぜひチャレンジしてみてください。
続きは車体編で解説でしています。
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