今回はNSR50、フロントフォークの前期、後期、Miniの違いをお話します。
フロントフォークの長さの違いやシートパイプの違いなど何がどう違うのかを詳しく解説しています。
フォークの中身のばねやシートパイプを迷っている方はぜひ最後までご覧ください。
NSR50(前期 後期 ミニ)のフロントフォークの径
NSR50のフロントフォークの径についてです。
フロントフォークの径は前期、後期、ミニを問わず外径が30mmです。
NSR80も同じです。
ちなみに同じ12インチでもエイプは31mmでこれはNS-1と同じでNSR50と互換性はありません。
なので、エイプのディスクブレーキ化はNSR50のフォークを入れることはできないので、ステム交換かNS-1流用するなど工夫が必要です。
NSR50の前期・後期フロントフォーク見た目の違い
NSR50のフロントフォークの前期、後期の大きな違いは長さですが、車体についた状態で判断するのは難しいです。
例えば、後期仕様のトップブリッジがついていて、見た目が後期仕様でも実はフロントフォークは前期ということもあります。
逆はあまりないかもしれませんが・・・
とにかく、車体にフォークが組んでいる状態ではなかなか見分けがつかないのでフォークの部品ごとの違いをお話します。
NSR50 フロントフォークの違い①インナーチューブ
まず初めにインナーチューブの違いです。
インナーチューブの前期と後期では長さが違います。
前期は445mmです。
後期は前期と比較して約40~45mm長いので485mmです。(間違っていたらご指摘お願いします。)
Miniは後期型のインナーチューブと同じ長さです。
ちなみに前期インナーチューブは緩まないボルトを緩めるための工具に差し込む延長パイプとして使っています。
いくら使わないからと言って、曲がっていないインナーチューブを工具代わりに使うのはもったいないですね(笑)
長さ以外ではハンドルのズレを防止するスナップリングが入るため、後期にはフォークの上の方に切りかきの溝が切っています。
前期型のハンドルはトップブリッジと共締めなので、切りかき溝はありません。
フロントフォークのインナーチューブで前期と後期を判断するには切りかきがあるかどうか確認するのが、一番分かりやすいと思います。
フォークのキャップのねじは共通なので、前期、後期のキャップもMiniのイニシャルアジャスターも取り付け出来ます。
NSR50 フロントフォークの違い ②スプリング
続いてスプリングです。
インナーチューブは後期の方が長くて、前期が短かったですがスプリングは逆です。
前期が長くて、後期が短いです。
後期は短い分だけカラーが入って全長を調整しています。
全長は違いますが、スプリングは前期も後期も2段ピッチになっています。
一方、ミニのスプリングは等間隔ピッチになっています。
等間隔ピッチと2段ピッチはどう違うのか?
荷重をかけた時に等間隔ピッチでは一定の力で一定量ばねは縮みますが、2段ピッチのばねのたわみ量は2段階になります。
どういうことかというと、最初はバネレートがやわらかい方が縮み、レートがやわらかい方が縮み終わると、固い方が縮みます。
バネレートがストロークによって2段回変わります。
スプリングについてはいろいろと好みもあるかと思いますが、個人的には前期の2段ピッチの方が、バイクが曲がりやすくなるので好みです。
理由は初期が柔らかくて、奥になるほど反発が大きくなって、進入では初期にフロントが沈んでスムーズに1次旋回にはいることができて、立ち上がりはゆっくり伸びるので2次旋回しやすくなります。
コースや乗り方にもよるのであくまで参考程度でお願いします。
NSR50 フロントフォークの違い ③油面調整量
バネレートと油面の比較表です。
オイルレベルはフォークキャップを開けてフォークを縮まして、カラーを取り外した量です。
カッコ内はスプリングも取り外したオイル量です。
自分はかっこ内のオイルレベル量で管理しています。
前期のバネレートは分かりませんでした。 もし、ご存知の方がいれば教えてください。
Miniのバネレートは0.5kgf/mm、オプションのハードスプリングが0.55kgf/mmです。
後期のバネレートは2段ピッチなので、0.4から0.7kgf/mmです。
NSR50 フロントフォークの違い ④シートパイプ
シートパイプも前期と後期で長さ違います。
前期に後期のシートパイプが付くのか?というとつきます。
でも、ストロークが変わったりフロントフォークのバランスが崩れるので個人的にはあまりおすすめしないというか、やったことないです。
もしやったことある人がいれば、どんな風に変わったのか教えてください。
基本的には前期のフォークはオリフィスの穴が大きいので使いませんでした。溶接で穴を埋めてドリルで穴を開ければ仕様変更できますが、街乗りの前期NSR80にはそこまでこだわりはありません。
後期と前期の違いは長さ以外にもオリフィス大きさが違います。
オリフィスとはシートパイプに空いているオイルの通る穴のことで、縮み側と伸び側それぞれあります。
NSR50の場合は、シートパイプの上側に小さい穴と下側に大きな穴があります。
上側のオリフィスはフォークが伸びる時にオイルが通るので伸び側のダンパーに影響があります。
オリフィスの大きさは前期が2.8mm、後期は1.4mmなので同じオイルを使用した場合、後期の方が、減衰がジワリと伸びるようになっています。
下側のオリフィスはフォークが縮む時にオイルが通るで縮み側のダンパーに影響があります。
後期と比較して前期は全体的にオリフィスが大きいので同じオイルを使うと伸びも縮みも柔らかくなってばねばねしいフロントになります。
ちなみにNSRMiniは下側が2mmで後期よりもダンパーが硬めになっています。
自分はミニのシートパイプに下側のオリフィスを3.5mmに広げて使っています。
理由は曲がりやすいからですが、スプリングと同じように初期はやからかく、フロントが入りやすくなり、立ち上がりでゆっくりとフォークが伸びるようなフォークが理想だからです。
NSR50 フロントフォークの違い ⑤ボトムケース
ボトムケースは前期と後期共通なので前期、後期問わず仕様できます。
違いはカラーだけです。
初期型のNSR50はボトムケースがブロンズカラーになっています。 中期以降からMiniまでボトムケースはシルバーカラーになっています。
NSR50 フロントフォークの違い ⑥その他
フロントフォークキャップはインナーチューブでお話した通り前期、後期問わず取り付けできますが、Miniのイニシャルアジャスターを使う時は一つ注意が必要です。
ミニのイニシャルアジャスターとNSR50のキャップでは、フォークの上面からの長さが違います。
後期型のスプリングとカラーにミニのイニシャルアジャスターを取り付けると長さの違いだけイニシャルを掛かることになるので、カラーをカットする必要があります。
その他フロントフォークのオイルシール、オイルロックピース、ピストンリング、リバウンドスプリングはすべて共通です。
前期、後期、Mini問わず流用することができます。
NSR50 フロントフォークの違い まとめ
今回はNSR50の前期と後期、ミニのフロントフォークの違いをお話しました。
自分はレースをやっていた時は後期型の長いフォークしか使ったことがないので前期のシートパイプの加工はしたことないですが、NSR80は上側、つまり伸び側のオリフィスがありません。
もし、前期のフロントフォークをつかっていてもう少し減衰が欲しい場合はNSR80のシートパイプを使うものいいと思います。
NSR50のフロントフォークは前期、後期、ミニ問わずいろいろな組み合わせで組むことができますが、前期と後期を混ぜて使うと、長さやストロークが変わったり、車体姿勢のバランスが変わります。
サスペンションの調整は個人自由はなのでいろいろ試してみるもの面白いと思います。
ただし、迷ったらとりあえず、前期は前期の組み合わせ、後期は後期の組み合わせで一度セッティングをリセットする方が方向性を決めやすいかもしれません。
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